箱の中の新聞記者3

エグテラ  2009-01-20投稿
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インターホンの音が静かな住宅街に響く。
小さな僅かなインターホンは、住宅街の乱れた建物に反射して耳に入り込み、長く大きく聞こえた。

この瞬間俺は身震いが止まらない体験をする。
『はい…』
声を聞いて飛び跳ねたかった。あまりにも低く、不気味な声だ。
インターホンと同じく、長く聞こえた。
「す…スイマセン、東京新聞社の者ですが、電話された中崎様ですか?」
『………です』
「はい?」
『はい。そうですが』
「インタビューに来た賢治ですが、詳しいことを知ってらっしゃるようなんで、話を伺っても良いでしょうか?」
『――ブツッ!!!!』
――――な!?
いきなり連絡が途絶える。
怒りも僅かにあったが何よりも恐怖が大きく、もう一度インターホンを押すのが怖かった。
初めてのインタビューでこんなことになってしまった。対処法が分からない…もう一度インターホンを押して怒らせてしまったらどうしよう。
携帯で上司に連絡を取るが電話が繋がらない
(しょうがない、会社には10分程度でつく。面倒だが一度帰るか)
会社に向かう俺の後ろ姿を何かが笑って見つめてるように感じた…


「先輩〜、電話出てくださいよ〜」
上司はズボンから携帯を取り出し驚いた
バイブのないマナーモードだったのだ。
着信履歴が二件もある。
「す…すまない。それよりどうした?インタビューできたか?」

俺はワケを話した。
「そうか…初めてなのに向かわせ、携帯に気づかなかった俺が悪い。そういう時はもう一度インターホンを鳴らせ。怒られようが関係ない。今回は分からなかったら携帯に連絡くれ」
「わかりました。行ってきます」
ややダルい気持ちで外に出た。
往復した道を短時間で再び進むのは人間が嫌いなことだ。

一回目のインターホンを鳴らして40分、またこの住宅街にたどり着いた。
今度は恐れない。ガッツだ!怒られてもこちらは仕事。悪くない。
深呼吸をし、二度目のインターホンを鳴らす

しかしいくら待っても声は出ない。
何度もインターホンを鳴らすが結果は同じ。
考える前に上司に連絡をする。40分の間に出かけたのだろう。十分有り得る話だが、何故か怪しくてしょうがなかった……









前回、タイトルに何話か入れるのを忘れてました
スイマセン

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