犯罪者のグラムを匿ったと見なされて、教師達が拘留されてしまったからである。
そして、そこにいた子供達は全員別の孤児院へと移されていった。
俺がいなけなかったのだ!―\r
グラムはそれを知り、愕然となって警察へ赴くと、自分の身柄を差し出す代わりに、どうか教師達や子供達を元の場所へ戻してやってほしいと頼んだ。
しかし、その返答はあまりにも冷たいものだった。
「教師達は既に牢の中にあり、子供達の行方はこちらでは把握していない。それは出来ない申し出だ」
この返答に激怒したグラムは、その警官を斬り殺し、中にいた十数人の警官もその場で斬り捨てた。
あれから、俺は為政者を狙うようになった…―\r
グラムは殺人、盗みを繰り返しながらも、光、精霊、鉄鋼の三国で政治家を多く斬り殺していった。
その分各国からの圧力も増していき、とうとう彼は暗黒剣側への潜伏を余儀なくされた。
そして居場所が判明してしまい、寝込みを襲われて、拘束されてしまったのである。
「貴様は何が望みだ?」
「…政治家を殺す。それだけだ」
「よかろう。釈放の条件として、人殺しを行ってもらう。政治家を殺しても構わん」
あの男はそれだけ言って、俺をこの策に組み入れた―