箱の中の新聞記者4

エグテラ  2009-01-21投稿
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携帯のプッシュ音さえ煩わしく大きく聞こえる。ここがそのような作りなのだろうか…
一人寂しい中高いプッシュ音は悲しくさせる。
煩わしさ故にプッシュ音を無くして上司に電話する。
さすがに二回目とあってすぐに出てくれた。
『どうした?』
「中崎さん、いませんが…どうやら出かけているのかと…」
『そうか…本当なら帰るまで待っててほしかったが他に大きなニュースがある。新聞はそれで埋めよう。帰ってきていいぞ』
「大きなニュースて?」
『オバマ大統領だよ。』
「ああ、わかりました。じゃあ後日改めて取材しに来ます」
そう言うと電話を切って再び歩き出す。
インタビューできたならまだしも二回も無意味な徒歩タイムだった…
ため息が漏れる。

会社に戻ると上司が肩を組んできた。
「悪かったな、面倒なことさせて」
そんなことを言われては喋りにくくなる。
「成長への試練ですよ」
と無駄に明るく振る舞ってみる。

忙しかった午前とは裏腹に飯を食った後の午後は内務作業で目は疲れたが体は楽をすることができた。
俺もそのうち忙しくなるだろう。
午後7時前…
帰宅時間だ。俺のような余裕を見せる人はすぐに帰宅。俺もあいさつをして会社から出た。

悪夢までは…5分もなかった…

俺の家は暗く静かな路地脇にあるため人の気配がない。
毎日帰る時は意識を集中してる程だ。

しかし………

〔賢治………〕
後ろから低い声が響いた。聞いた瞬間の鳥肌が生半可じゃなく背筋が凍りつくのが感じれた。
「………え?」
情けない声を出した俺は暗い道で「何者か」に「何か」をされて気絶。
意識を失ったのだ…



――――目が覚めた。
見覚えのない壁と天井が見える。体には痛みが走る。首を凄まじい力で叩かれたらしい。
日常生活で起きるように背伸びをしてドアノブへと向かった。
見覚えもないが当時は…寝ぼけていた。
ノブを回して俺は顔が引きつった。戦慄した…
ドアがあかない。カギ穴もない。部屋を見渡し初めて気づいた。

部屋の壁には…人間の血がビッシリと散って真っ赤になっていた。真っ白な部屋は返り血で埋められていた。
心臓が高鳴る…
眼球が飛び出そうになる…携帯は…圏外だ…
窓もない…



いや…そんなことより……

ここはどこなんだ!!!!

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