グラムはそれらの出来事を走馬灯のように思い浮かべながら、最期に、
これで…少しは、楽になれるか…な…―\r
という言葉を頭の中で呟いた。
そして、グラムは静かに息を引き取った。
「死んだ…か…」
ロザラムはぽつりと呟いて、グラムの亡骸を神妙な面持ちで見つめた。
「…」
その様子を黙って見ていたフードの人物はグラムの亡骸の前に出ると、ゆっくりとした動作で剣を構え小さく息を吐いた。
ロザラムは一気に険しい表情になって唇を噛み締めると、剣を構えた。
その瞬間、
「うわあああ!」
「きゃあああ!」
「のあああ!」
という、悲鳴が闇夜に響き渡った。
「!?」
ロザラムとフードの人物、そしてラトや騎士達が驚いた表情で、悲鳴の聞こえた入り口の方を見た。
そこにはロイ、ルイス、ミリス、エミリア、リリーの五人が折り重なるようにして倒れこんでいた。
「痛たたた…何なのよ、これ…」
「わざわざ宙に浮いたような状態でターンするなんて…嫌がらせかしら…?」
「…さ、三人共、く、苦しい…」
「おい、ロイ、足どけろ!動けねぇ!」
「…」
ロザラム達は何が起こったのか分からず、数秒の間呆然とした表情で、じたばたともがいている五人を見つめていた。