「き、君達!どうしてここへ!?」
ラトは我に返ると、折り重なっているロイ達五人の側に駆けつけて、怪訝そうな表情で尋ねた。
「…いえ…その、とりあえず、手を貸して下さい…うう、重い…」
ロイはそう言って、ラトに助けを求めた。
「ち、ちょっと、ロイ!重いとはどういう意味よ!これでも去年よりは減量したんだからね!」
「…いつ減量してたの?ミリス…」
エミリアはロイの腕から自分の腕を抜こうと彼の背中に体重をかけながら、ミリスに尋ねた。
「も、もちろん、訓練の量を増やして、汗をかいて…」
「それに伴ってご飯の量も…」
「わー、ダメ!それ以上言っちゃっダメー!」
「だー!早くどいて下さい!」
そんな騒がしいやりとりがあった後、ラトの助けでようやく五人は元の状態に戻った。
「大丈夫だったかい?」
ラトは苦笑しながら、五人に尋ねた。
「すいません…助けて頂いて…」
五人はそう言いながら、一斉に頭を下げた。
「あ…」
エミリアはこちらを見ているロザラムに気づくと、涙ぐみながら側に駆け寄ろうとした。
「来るな!エミリア!」
ロザラムは厳しい表情で、エミリアに向かって叫んだ。
「!」
エミリアは驚いて、立ち止った。