エンブレム〜序章〜?―?

S・U  2009-01-23投稿
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もう一度声を掛けると先生は暗い笑顔を浮かべ俺の方を見てくれた。
「わざわざ、面会に来てくれたのか?ふふ、気遣い痛み入るよ。だが、すまないな…まだあまり体調が良くないんだ…」
「…」
「ふふ、情けないよな…。私ともあろうものがあれしきの事で…こうまで疾患になるとはな…」
そう言って自嘲気味に先生は笑った。
「…先生」
「ん…?」
「…」
――言わなきゃ…謝らなきゃ…。そんなことで許されることじゃないけど…。
俺が勝手な行動したから…。俺が怒りに身を任せてあんな身の程をわきまえない行動を取ったから…。
「…先――」
「――そういえば宮野…」
俺が口を開きかけた瞬間先生の言葉がそれを被せた。
俺は出し掛けた言葉を飲み込み聞き返した。
「――何ですか、先生…」
「ああ…別に大したことじゃないんだが…――誠は…何処に居る?」
「…え」
「あれ程の数の化け物達からお前を助けてくれたんだからな…。ちゃんと会って…礼くらいしなきゃな」
そう言って先生はニコッと笑った。
「…はいっ」
――強いや、先生って。
大切な人があんな肉塊にされたってのに…もう、前を向いて歩こうとしている。
真似…出来ないや。

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