昔の彼女(7)〜回想6〜

ひろ  2006-07-02投稿
閲覧数[276] 良い投票[0] 悪い投票[0]


---学校---

時刻。7:30

「えっと、これはこの公式で…」

「あっ、そか、なるほど…」

俺達は黙々と勉強してた。
昨日と変わりなく…
と言うより変わらないように…


でも、言わなきゃな。
「……あのさ、昨日の事、聞かなかった事にするから、俺、彼女いるし…」

俺は問題を解きながら目も合わせず言った。

「…佐野君?
振られるのはわかってたけど、覚えていて欲しい…
それに、目見て言ってよ。」
ガタっ、藤宮が立ち上がる。
クイっ。

俺のアゴを手で上げて言う。

てか、近いっ!!
近すぎだから…

???
藤宮の顔、なんか近付いてくる?

「あ、ちょっと…」

俺が言いかけた時…

《バンっ。》

誰かが鞄を落とした音?

一体誰が?

俺は嫌な予感をしつつ横目でその人物を見る。


そこには…
顔を真っ赤にしながら涙目の由美がいた。


由美がもの凄い勢いで背中を向けて走って行く。

「あ、ちょ、待てって!!」

俺は藤宮をふりほどいた。

「あ、佐野君っ」


由美の鞄を取って、すぐさま追い掛ける…


「はぁ、はぁ。」
俺は由美の腕を掴んだ。
「おまえ、足速いな…はぁ…」

「さっき何してたの?キスしてるように見えた。」

由美は涙を堪えてるんだろう、声が震えてる
「ち、違うっ。藤宮が俺の事、好きとか言ってて、でも俺何もしてないから…」
なんて言えばいいかわからない。
上手い言葉が出てこない。

「き、昨日。何も言ってくれなかったじゃん。様子、変だったから、何かあったと思ったけど、としかず何も言ってくれないじゃん!!」

「…ごめん。
昨日は悪かったけど、俺の事、信じろよ。」

「信じてるよ…。
でも、苦しい。
ヤキモチやいてばかり、信じてるけど不安なの。こんな自分嫌い…こんな気持ち知らなければ良かった。」


「何、マジで言ってんの?」
何も伝わらない気持ちに俺もイライラしてきて…

結局、その腕を離してしまった。
付き合い始めの頃、離さないと約束したのに。

好きだって言う気持ちだけでやってけると思った、ガキだったから…

相手を思いやる事も出来なかった。


大切な人…
改めて気付いたのは、キミが隣にいなくなった日から…

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ひろ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ