ノイズ‐NOISE‐第四章?

紀夜  2009-01-25投稿
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   サー―・・・・




あの音だ。  

オレから全てを奪った音。

オレの大事なものを全て。

 
なんでだ?

これは夢か??


音が止まない。


止め、止め!

嫌だ、聴きたくない。


止め、止め!!


―――――・・・・・



「・・ちゃ・!・・ん!」

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」

少女の声が、まるで天からの光のようだった。

ウィルは悪夢から覚めた。若干、クリスの音波のなごりが、エコーのように頭を締め付けていたが、もう起き上がれるようだ。
 ウィルは重い体をゆっくり起こす。

「お兄ちゃん・・・はい、ハンカチ・・・」 
目をそらすようにマリアがハンカチを手渡す。その時初めて自分の恥態をさらしていることに気付き、乱暴にマリアのハンカチをとる。
「きったねぇ―・・・」
顔中に付いた液体という液体をあわてて拭いていく。
「お兄ちゃぁん!急いで!」
マリアが必死にせかすのには訳があった。

クリスのせいでぼやけていた聴力が甦っていく。

様々な音が聴こえる。

サイレン。
街の人々の声。
走る足音。

そして

なにか重いものが
次々と崩れていく音。

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