緋里は女子短大に4月に入学して半年が経ちひとり暮らしにも慣れてきていた
「緋里〜!おはよぅ」
クラスメイトの奈々だ 奈々は声が透き通るように綺麗でよく響いた
「おはよ 今日の授業一科目地理のテストだよ」
「私 昨日バイトで勉強してないよぉ 単位大丈夫かな?」
「私もまずいかもぉ それより今日の合コン楽しみだね!」
「授業終わったらダッシュで着替えてクラブバーに直行だぁ」
奈々とは入学してすぐに仲良くなり親友だ
午後の授業も終わり奈々と急いで駅の中の有料のメイクルームで着替えて化粧をして完全装備でクラブバーに向かった
会員制の少し大人のクラブバーは某大手企業の人達や有名選手なんかも来るらしい 今日の合コンは大学の集まりでたくさんの大学生が参加していた
その時
ガチャン!(グラスの割れる音)
「すっ、すいません…」
ボーイの男の子がテーブルにカクテルのグラスを割っていた
「うわぁ あれまずいじゃない? ねぇ、緋…里?」緋里はボーイの男の子に近づいて行った
「大丈夫?」
「すいません 直ぐに片付けますので」
緋里はそっとハンカチを差し出した
「あっ…結構です」
緋里はボーイの男の子にハンカチを押しつけた
「ありがとう 洗濯してかえすよ」
ボーイの男の子は少し照れながら喋った
緋里はテーブルにあったコースターに連絡先を書いた
緋里と洋介の二人の運命の出会いだった