「おかけになった電話は、電波の届かない所にあるか…」
「まただ、どうして?でも今日は拓達と遊ぶって言ってたし。」
拓は優と愛の共通の友達で、とてもイイ奴だ。まぁ、心配はナイだろう。それに今日は私も幸と買い物だし。気にしないことにしよう。
「やばーぃ、買いすぎ!」
「ね、金欠だょー」
「これからどうしよっか?」
「うーん、カラオケは?」
「イイね、決まり!」
一時間待ち。
―――だるいな。優達は今頃何してるのかな。
「あれ、愛じゃん?」
フロントに煙草を買いに来た男の声…拓だ。
―――スゴイ偶然。テレパシー?
「なぁ、優知らねぇ?」
「ぇ…拓達と一緒ぢゃ?」
「それが携帯つながんねーの、バックレだょ。」
「…。」
―――どういうこと?
「おかけになった電話は…」
「やっぱり繋がらない…どうして?」
「あ、いや、ね、寝てるんぢゃね?気にすんなょ?」
「でも…」
「大丈夫だって!なぁ、愛達も俺らんトコ混ざっちゃえょ!」
「ぅん、でも…」
「いいからいいから。店員さん、二人追加ねー」
誘われるがままに拓達の部屋でカラオケをすることになったが、正直楽しめる気分じゃなかった。
―――優、何してるの?