駅、構内にはいり家へ帰る為ホームへ駆け込む。地元へ戻る為の電車は発車寸前でギリギリセーフ。これを逃すとカラオケBOXか漫画喫茶で始発まで過ごす事になる。もっとも本当は帰る予定ではなかったのに・・・
とにかく間に合いホッとして椅子に座る。まださっきまでの永遠(とわ)の歌が頭の中で響いている。勇樹と喧嘩した事など殆ど忘れかけている。それほど、衝撃的な出来事だった。
気持ちも落ち着き、ふと現実に戻る亜衣。他の人の着信音で自分の携帯の電源が切ってある事に気がつく。
亜衣は携帯をとりだし、電源を入れてみた。携帯に表示されている時間は12時を過ぎた所だった。
『あっ、もうあたしの誕生日すぎてる・・・』
それと同時に勇樹と付き合って一年の記念日も過ぎていた。