卒業式
奈々は泣いていた
「緋里〜〜っ」
大学の門の桜の花弁が散っていた
緋里と奈々は二人で抱き合ってお互いの肩をいつまでも離さなかった
大学の広場には洋介が立っていた
「卒業おめでとう」
「洋介…」
「何?」
しばらく沈黙が続く…
「別れたいの…」
また沈黙が続く…
「分かった 緋里が決めた事だからなっ 俺は応援するよ!」
「うん…」
洋介と緋里はそれぞれ背中合わせにゆっくり歩きだした…
春の日差しが二人の将来を暖く包んで微笑んでいるようだった