思えば海のときだって体力がなかったし…。
椎名がいないと退屈だな、と思った。僕は友達は多いわけではない。椎名以外にも話す人はいるが基本的にこちらから話しかけないと会話はない。寂しさがこみ上げてきた。
今日は式や掃除だけで学校が終わった。家に帰ると明日のテストの勉強をした。
次の日は三時間目までテストをして四時間目から通常授業で世界史を受けた。
『テスト疲れがあると思うので、今日は二人ペアを作って各ペアで今から黒板にある国を調べてください』
世界史担任の大黒圭介が言った。
『では、今からペアを作って各ペア事に椅子に座ってください』
僕は周りを見て焦る思いがした。他の人は椅子から立ち上がり友達とペアを作ろうとしていた。僕はペアを作る人がいない。孤独感が僕を襲う。寂しい…泣きたくなる。みっともない…。
『翔太君、私と組まない?』
真澄が僕に言ってきた。『え、いいの!ありがとう』
心の中で僕は彼女に何回も感謝をした。彼女がとても輝いて見えた。その時僕は断定した。彼女のことが本気で好きだ…。