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中間テストが終わったら、
次に来るのは体育祭。
そう、
体育が苦手なあたしにとっては、
ちょっと憂鬱な1日――
『体育祭の種目についてだが、全員参加の種目以外については、一応希望を聞く事にするが、
希望者が複数名いる場合は、くじ引きで決めたいと思う。』
渋川が体育祭についての説明をすると、
クラスメイト達は、その話題で盛り上がっていた。
希望なんてないわよ。
体育2。
もしくは1のあたしにとっては、
全員参加の玉入れと、綱引きだけでいいのに。
『奈央は、何出んの?!』
『うん。あたし運動音痴だから、簡単なのがいいなって思ってるんだケド。
聖人は?!‥‥あっ‥‥ごめん!!お休みだったよね。』
あたしってばバカ!!
体育祭に出られないコト、
聖人だって気にしてるのに――
『おぅ。こういうトキだけ、心臓が弱いってコトが、いい口実になるんだよな。』
聖人は、そう言って笑った。
『あはは。じゃあ、聖人は、応援団長だね?!』
『バカ!!やらねーよッ!!』
本来、運動神経が特に優れている聖人が、
体育祭に参加出来ないのは、凄く残念だと思った。
でも、
聖人が心臓が弱いというコトについて、
周囲の誰もが、それを感じさせられたコトがない位に、
聖人の病状は安定していたんだ。
『いいよな!!
誰かサンは、いつもそうやって、この面倒くせー行事をスルー出来るんだから!!』
突然、あたし達の方へ向かって飛んで来たのは、タツヤの言葉だった。