『何よ、タツヤ。
聖人の心臓のコトは、あんただって知ってる筈じゃん。
奈央も黙ってないで言い返さなきゃ!!』
直ぐに、そう言い返してくれたのは、ユカ。
あたしは、タツヤの言葉で聖人がキレてしまうんじゃないかと、ハラハラしていた。
だって、
さっきから聖人は、その鋭い眼光でタツヤをジッと睨み付けていたから。
でも、あたしのそんな不安は、見事にくつがえされた。
『悪かったな。
そういうコトで、俺、体育祭には出れねーから。』
バタン――
一言そう残して、
聖人は教室を出て行ってしまった。