ラトは厳しい表情でちらりとロザラムを見ながら、尋ねた。
「…ええ。間違いありません」
ロザラムは苦い顔をしながら、その人物を見据えた。「…ユミナ、お前だったのか…」
「ふふふ…」
ユミナはショートカットの髪を優雅にかき上げながら、余裕の表情で、小さく笑った。
「だが…おかしいぞ。お前は確か魔法剣ソードメーカーなはずだ。ここに赴任する時にその能力を確認している。どうやって光のソードメーカーになりすましたんだ!?」
「ふふふ…なりすましてなんかいないわ。これが私の本当の能力なのよ」
「能力?」
ラトとロザラムは納得できないといった表情で、小さく首を傾げた。
「いいわ、教えてあげる。私とグラムは、光のソードメーカーと闇のソードメーカーから生まれた子供なのよ」
ユミナはちらりと後ろに居るグラムを見ながら、少し不愉快そうに言った。
「ハーフか?しかし…遺伝する時にどちらか一方の能力を受け継ぐのみで、両方の力を使えるという話は聞いた事が無いが…」
「まあそうね。でも、暗黒剣側はそれを可能にしたのよ。長年の研究によって…ね」
「何だって!?」
ラトとロザラム、そして周りにいた者全てが、その返答に驚きの声を上げた。