○●純+粋な恋●?

沖田 穂波  2009-01-29投稿
閲覧数[451] 良い投票[0] 悪い投票[0]


4-? 夏の訪問者

最近はめっきり暑くなった。所々から聞こえる蝉の声が,余計に暑さを増している気がする。

『私は,
治療しませんよ。』

純は病を告知した京太郎に言った。
告知されずとも,自分が難しい病だと言うことは分かっていた。

『どうせ死ぬなら私は無傷なまま死にたい。
それに,治療したらここに居られなくなる。』

『お前は,そう言うと思っていたよ。』

京太郎は純に向き直った

『だが,俺はお前に少しでも長く生きていて欲しい。弟が死んで行くのを黙って見ていたくないんだ。だから‥』

『治療はしません。』

断固として純は意見を変えない。

『私は,子供達の通ったこの場所で,
温もりを感じながら死にたいんです。』

『しかし‥』

『お願いします!!』

純の目には涙が浮かんでいた。
それだけ必死なのだ。
そんな純を見て,

『そうか‥』

と言ったきり,
京太郎はもう治療をしろなどと言わなかった。


●○続く○●

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 沖田 穂波 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ