俺は栄治
プロのドラマーだ
ジャンル?
ジャズさ
ジャズドラマー。
1940年 昭和15年
神奈川県にて俺は生まれた
幼くして父を亡くし、女手一つで兄貴と俺を育ててくれた母は俺が中学生の時に再婚
俺も兄貴も新しい親父とはうまが合わねぇから
高校3年で中退、幼い頃兄貴に教わったドラムで、音楽の道に進むことを決心したのさ
18、19の頃はバンドボーイしながら
えっ?
あぁ バンドボーイってのはあるグループに付いて、楽器を運ぶいわば 荷物係ってとこかな
そんで、そのバンドボーイってのをしていたんだけど、二十歳でそのグループに
「お前、叩いてみないか?」てね
そこからが俺のプロの始まりになったわけさ
俺がプロになってからは、ラジオ番組や橋ゆきおのバックバンドだったり
森しんいちが俺のバンドボーイだったんだぜ
まぁ 毎日急がしい日々を送っていたわけなんだけど、
知っているだろうか
俺達 東京カルテットって言うんだぜ
時は昭和37年
彼は毎日忙しながらも、裕福な暮らしにとても満足していた
夜はファンの子を毎晩のように取っ替え引っ替え、 誰もが羨むそんな人生、だがそんな極楽な人生もそんなに長くは続かなかった…
栄治 大麻所持で逮捕
見に覚えがない、誰かの陰謀か!
冤罪と実証されたが、一度信用を失ってしまったものを修復するには難しいこと マスコミは散々ネタにした癖に、知らんぷりときたもんだ
彼の極楽人生が音をたてて崩れていく
でも、彼には実の兄が手を差し延べてくれた
救われた 彼は28才で結婚もした
翌年には長男も生まれ、幸せな生活を取り戻すことができたのだ、
これから 最悪な人生が待っているとも知らず…
続く