ロイは唇を噛み絞めて、拳を震わせた。
「ふふ…何を怖がっているのかしら?貴方が可愛い妹を炎で焼き殺した事を知っているからかしら?」
「っ!」
「えっ!?」
ミリスとエミリア、ルイスとリリーは驚いて、思わず声を上げた。
ロザラムはそれを聞いてピクリと眉を動かすと、ロイを見た。
「あら…何人かは知っているようね。まあいいわ。私の親友だったリアちゃんを殺した罪は重いわよ。だから…」
ユミナはそう言うと、不敵な笑みを浮かべて、剣の切っ先に光のエネルギーを集中させた。
「殺してあげる」
その言葉が彼女の口から出た瞬間、剣の切っ先から放たれた光の塊が、弾丸のような速さでロイに向かっていった。
「うわあっ!」
ロイは間一髪でそれを避けると、後ろにあった砦の壁に当たって爆発した。
「あら…惜しいわね」
ユミナはまるで玩具を崩す子供のような顔をしながら、愉しそうに笑った。
「待て、ユミナ。ロイを殺す事が本来の目的なら、何故ベイスで倒れている時に殺さなかった?」
ロザラムはユミナを冷徹な目で見つめながら、尋ねた。
「だって、あまりにもロイが弱すぎたんですもの。せっかく強くなったのに、張り合いが無いったらありゃしない」