恋の滑走路?

超ナタデココ  2006-07-03投稿
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おもしろいので是非最後まで読んでください!

シュダッッッッ ピッ!

「21'55!!」
空気が澄み渡り、青く晴れ渡る午後。
そんな中、響き渡った声に、駆け抜けた当人は落胆する。
息を整えつつ、一度空を見上げる。
どこまでも続いていきそうな蒼。
いつだったか、風になりたいと思うこともあった。
「ハァ………21'55か………………くそぉ〜〜」

――反藩陸上競技場――

県内いくつかあるうちの一つである競技場で、
地元の進学校夷東高校が最後の大会に向けて必死に陸上の練習をしていた。
「くっ……あとちょっと…かな」
その中で一番の注目は彼、陸上部キャプテンの晴輝。
彼は見事、先の県大会で200mを堂々の一位で全国行きを決めた。
彼自身は高校から陸上を始めており、最初こそ、平凡な選手だった。
それがいつしか、部を任されるまでになった。
彼の友達曰く“晴輝はシンデレラストーリーの代名詞”である。
そんなシンデレラは、空から視点をトラックへと戻す。
「先輩ファイトですっ!」
「晴輝先輩速いねぇ」
「先輩カッコイイ!」
ギャラリーの黄色い声援が飛ぶ。
が、晴輝はそれに特に応じず、聞き流す。
正直、それどころではないということがあった。
「俺も晴輝先輩みたいになりてぇ」
彼は後輩から尊敬の目でもみられていた。
「晴輝すげぇな」
そして、同級生からも。
「……すいません、ちょっと部室行ってきます」
彼はいち早く練習をきりあげると、部室に消えた。

部室の前で、ため息をつく。
伸びない、いや、下手をすれば県大会の時より記録が落ちている。
全国に行くのだし、様々な人から期待されている。
それらが、重圧となって晴輝の背中にのしかかっていた。
もう一度ため息をついてからドアノブに手をかけ、何の意識もせずに回す。

部室に入ろうとして、沈黙。
今までの憂鬱な気分から転調、別の理由で動けなくなる。
部室に入るやいなや視界に飛び込んできたのはマネージャーの明希。
彼女も三年生であり、晴輝にとってはクラスメイト。
マネージャー職もそつなくこなす。
ちなみに、晴輝とは3年間同じ教室で過ごしていた。

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