晩ご飯を食べた後、少し休憩があり、夜間の授業は午後7時から午後10時まであった。
授業が終わり男子は体育館、女子は多目的ホール、今夜の寝床へ向かった。
体育館へ着くとタケが近づいてきた。
「消灯終わって1時間くらいしたら出ようぜ。それぐらいから職員会議があるらしいからさ。」
いったいどこからその情報を獲てきたのか、全くタケには感心する。
消灯して1時間後、俺らはバラバラにトイレに行くふりをした。一応、入口に先生が一人座っているが睡魔と戦ってる状態だった。
タケと合流し、プールの裏までコソコソ二人で歩いていった。
見つかるかもしれないスリルからなのか、ユキちゃんと会える嬉しさなのか、俺の心臓はうるさかった。
しばらく待っていると原田エリがいきなり後ろから現れた。
「ッ!!びっくりしたぁ‥‥あれ?ユキちゃんは?」
原田は申し訳なさそうに「ごめん。」と顔の前で手を合わせた。
「ユキさ。勉強しすぎて疲れちゃったみたいで寝ちゃってさ…。」
俺はほんとにガッカリした。タケの邪魔になるといけないので一人体育館まで引き返すことにした。
その途中で、一人の女子が前を歩いているのに気づいた。
間違いなくユキちゃんだ。