合宿中、私は自己嫌悪になっていた。
朝、渡り廊下でマサノブ君と安田さんが話してるのを見ただけで嫌になるくらい嫉妬した。それに加えて夕方の屋上でもその二人がヒソヒソ話をしてた。安田さんは私をチラチラ見ながらマサノブ君に笑顔を振りまいてた。すごくそれが嫌で同じ空間にいるのが苦しくて逃げた。
正直、マサノブ君が屋上に来たとき、私のところに来てくれるとばかり思って気づかないフリをして待っていた。
私はいつもマサノブ君が話かけてくれるのを待っていた。マサノブ君から話しかけてくれることで彼が私のことを好きでいてくれてることを確認し安心することができた。
でも自分から話しかけなくちゃと思ってはいるけど、「変なこと言って嫌われたらどうしよう」とか余計なことを考えて実行できない。彼女失格だといつもエリに相談していた。
どちらにしても私はマサノブ君のことが付き合いはじめの頃より遥かに好きになっていた。ついにこれが恋だと分かってしまった。
合宿の夜中、エリに強引に誘われて寝床を抜け出したけど、安田さんとマサノブ君のことを思い出してすごく胸が苦しくなってきた。
「私きっと今マサノブ君に会ったら嫉妬でうまく話せない。たぶんすごく感じ悪い態度になると思う。」
そうエリに言って私は寝床に引き返した。