PRICE?

こう  2009-01-31投稿
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「その犬はあなたのですか?」

「あぁ、こいつのことか。」
「昨日雨が降ってただろう。その時に家の前で濡れているのを見てな。それで親近感が湧いたから連れてきたんだ。」

「…首輪を付けているが、あんたの犬かい?」


「いえ、オレの犬ではありませんが探していたんです。連れて行ってもいいですか?」


「ふーん。まあ、こいつが家に帰られるならそれでいいや。」
「ここは犬小屋みたいでもこいつの家じゃないからな。」


ケースケはお礼を言い、豪邸へと向かった。



ピンポーン



「はーい。どなたですか?」

「あの、この犬は前の紙に載っている犬じゃありませんか?」


「え?ちょっと待ってください。」



ガチャ



「…まあ。ずっと探していたのに見つからなくて諦めてたのよ。」
「本当に何と言ったらいいのか…。ありがとうございます。」


この家の女主人なのだろうか。涙を流して喜んでいる。

(さあ、お礼は何がもらえるのかな。)


「すいませんが、少し待ってもらってよろしいですか?」


「あ、はい。」


「ん?」

女主人は大きく膨れた袋を2つ持って出てきた。


「あなたのお口に合うか分かりませんが、地元の友達が送ってきたスイカです。」

(…は?スイカ…?)


「スイカですか…。大好きです。ありがとうございます。」

とりあえずお礼を言い、ケースケは家に向かって歩きだした。


「…ちくしょう。重いんだよ。…なんで2個も。」


ケースケは愚痴をこぼしながら歩いた。



その後ろでは、女主人がケースケの姿が見えなくなるまで手を振り続けていた。

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