いやぁ 30分で帰るつもりが、つい坂根と話が盛り上がっちゃって、一時間も潰しちまった
早く帰らなきゃなぁ
勇治に怒られちまう…
栄治はそんなことを考えながら、気持ちが急ぐ
車で10分も走れば、家に着く
急がなくてもよかった
自分は酒を呑んでいたことも忘れるぐらい、我が家に早く帰ることしか考えていなかった
アクセルを踏み込む
家はもうすぐそこ
勇治の喜ぶ顔が脳裏に浮かぶ
家族
笑い声
ご馳走にケーキ
プレゼント
勇治の喜ぶ顔
!!!!!!!
キキーーッ!!!!!!
…………………………………………
「パパ 遅いねぇ もうごちそう 冷めちゃうよ」
「本当ねぇ でもパパもすごく楽しみにしてたから、そろそろ帰ってくるわよ!」
う~ん……
時刻は夜7時を回っていた…
う、う~ん…
あ、頭がい、痛い…
どういうことだ こ、これは?
体を確かめる、血は出ていない、怪我という怪我はしていないようだ、幸い軽く頭を打った程度だった
ホッと息を着く…
正気に戻った彼の目に、
信じられない光景が映し出された!!
!!!!!!
ど、どういうことだ
急いで車から外にでる、
ゆっくり近づく…
そこには、人が倒れていた
倒れていた?
いや、車に跳ねられ
血だらけになった女性が横たわっていたのだ…
「だ、大丈夫ですか!?」
栄治はわかっていた、かなり申告な自体を巻き起こしてしまったこと、
取り返しの付かないことが、今彼の目の前に起きていることに…
だが、どこかで彼は彼女が目を覚まし
なんでもなかったと…
でも、やはり返事もなく
気付けば、野次馬が増えていた。
誰か~!!! 救急車を!
野次馬からそんな声も聞こえる!
いや、もう遅いかもしれない、彼女の顔は血の気はなくなり青白く、ピクリともしない