屋上の---ちゃん

リナヲ  2009-01-31投稿
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5限目。理科だ。
午後の授業はきつい。先生の声が子守唄のようだ。
眠いのを堪え、集中した。

じりりりり...!

急に学校の警報機が鳴りだした。

警報機が鳴った瞬間、周りはしん…と静まり返る。
周りは私を睨んでる。
何なの…?


"ゲームスタート"


みんな一斉に立ち上がり私目掛けて走って来る。鬼の形相だ。
私は怖くなり、みんなに背を向け廊下に飛び出した。

もうすぐ、もうすぐ階段!
しかし、有るはずの階段が、ない。
なんで、なんで、階段がない!
もう廊下の端まで来てしまった。
来る、来る、みんな後ろから追って来る。逃げなきゃ逃げなきゃ。
とっさに廊下の窓をあけて2階から飛び降りた。

下が花壇だったのが幸い、怪我はない。窓からまだ追ってくる。
私は門に向かって走った。

なのに、

またさっきの花壇…
な、んで…
走っても走っても門までたどり着かない。校内から出ることができない。

やはりみんな追って来る。
逃げるしかない。
ただ、走る。
走る走る走る走る走る走る...


"屋上に…"


走って走って、気が付けば屋上にいた。


みんなは来ない。
ふと、扉の方から視線を感じ、恐る恐る振り向いた。

一人のセーラー服の少女が、立っている。
近付いてきた。
な、に…


"あんたのせい"
"みんな信じてくれない"
"あんたのせい"
"なんで私が"
"あんたのせい"
"味わわせてあげる"


少女の手にはいつの間にか包丁が握られている。
どんどん近付いてくる。
動けない。

私何もしてない…!
やめて、来ないで!

近付いてくる。

やめてやだ、やだやだ

包丁を振り上げる。

やめてやめてやめてええぇーー…!!!!!





―――…………

――キーンコーン...


…あ………ゆ、め……?

いつの間にか寝てしまっていたようだ。
私はむくり、と起き上がる。
なんだ、夢か。

それにしてもリアルな夢だった。鳥肌が止まない。


……やけに静かだ。もう休み時間のはず…

すると周りから鋭い視線を感じた。
見るとみんな私を睨んでる。

そ、んな、


「ゲームスタート」


後ろで少女の声が聞こえた…

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