5限目。理科だ。
午後の授業はきつい。先生の声が子守唄のようだ。
眠いのを堪え、集中した。
じりりりり...!
急に学校の警報機が鳴りだした。
警報機が鳴った瞬間、周りはしん…と静まり返る。
周りは私を睨んでる。
何なの…?
"ゲームスタート"
みんな一斉に立ち上がり私目掛けて走って来る。鬼の形相だ。
私は怖くなり、みんなに背を向け廊下に飛び出した。
もうすぐ、もうすぐ階段!
しかし、有るはずの階段が、ない。
なんで、なんで、階段がない!
もう廊下の端まで来てしまった。
来る、来る、みんな後ろから追って来る。逃げなきゃ逃げなきゃ。
とっさに廊下の窓をあけて2階から飛び降りた。
下が花壇だったのが幸い、怪我はない。窓からまだ追ってくる。
私は門に向かって走った。
なのに、
またさっきの花壇…
な、んで…
走っても走っても門までたどり着かない。校内から出ることができない。
やはりみんな追って来る。
逃げるしかない。
ただ、走る。
走る走る走る走る走る走る...
"屋上に…"
走って走って、気が付けば屋上にいた。
みんなは来ない。
ふと、扉の方から視線を感じ、恐る恐る振り向いた。
一人のセーラー服の少女が、立っている。
近付いてきた。
な、に…
"あんたのせい"
"みんな信じてくれない"
"あんたのせい"
"なんで私が"
"あんたのせい"
"味わわせてあげる"
少女の手にはいつの間にか包丁が握られている。
どんどん近付いてくる。
動けない。
私何もしてない…!
やめて、来ないで!
近付いてくる。
やめてやだ、やだやだ
包丁を振り上げる。
やめてやめてやめてええぇーー…!!!!!
―――…………
――キーンコーン...
…あ………ゆ、め……?
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
私はむくり、と起き上がる。
なんだ、夢か。
それにしてもリアルな夢だった。鳥肌が止まない。
……やけに静かだ。もう休み時間のはず…
すると周りから鋭い視線を感じた。
見るとみんな私を睨んでる。
そ、んな、
「ゲームスタート」
後ろで少女の声が聞こえた…