○●純+粋な恋●?

沖田 穂波  2009-02-01投稿
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4-? 夏の訪問者


それから粋乃は毎日純を見舞いに来た。
いつの間にか寝てばかりの純の,楽しみの1つになっている。

『最近,あの子よく来るな?』

京太郎は言った。

『以前,お前が出会った桜並木の心優しい女とはあの子の事だろう?』

『え,そうですが‥何故それが?』

粋乃が桜並木の女だとは一言も兄には言っていなかった。

『お前を見ていたら分かるよ。』

『私を?』

『ああ。』

と,京太郎は純を覗き込む様に見た。

『最近のお前は,幸せそうだ。』

『幸せ‥?』

純は何だか恥ずかしくなった。粋乃と会っている時に感じる暖かさは,幸せだったのだと今頃気付いたのだ。

『そうか,これは幸せだったんですね。』

純は続ける。

『私は知りませんでした。家族や兄弟とは違う幸せを,あの人が運んで来てくれている事を。』

『やっと,気付いたんだ な。』

『‥はい。』

純は天井を見上げ,粋乃の笑顔を思い出した。

『私は恋をしている。』

言葉に出した時,
粋乃への感情が苦しい位に溢れた。こんな気持ち純には初めてだ。

『お前がいつそれに気付くのか,俺は不思議に思っていたよ。』

京太郎は純をからかうように言った。

『酷いなぁ,教えてくれれば良かったのに。』

『そう言うものは,自分で気付かねば意味が無いんだよ。』

京太郎は既に嫁を貰っている。だからそう言う事に少しは詳しいのだ。
純は聞き分けの良い子の様にじっと兄の言葉を聞いていた。


●○続く○●



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