いつもマサノブ君の行動は私をドキドキさせる。
今朝、登校してすぐ教室の前にマサノブ君が立っていた。
「昨日さ…安田と何かあった?ちょっと気になって」
「え?…べ、別に大したことじゃないよ。」
「……そ、そっか。」
マサノブ君の顔がうまく見れない。首もとまでしか見れない。
「あ、ユキちゃん。今日さ、一緒に帰れる?」
「今日は大丈夫だけど。」
なんて可愛くない返事の仕方だ。もう自分に嫌気がさす。
「よかったぁ〜!今日も塾かと思ってた。あ、ホームルーム始まる!じゃ、放課後迎えに来るね!」
マサノブ君は嬉しそうに自分の教室に入っていった。
「ユキちゃん。あなた愛されてるね〜。うらやましい!」
教室に入るとクラスの友達が話しかけてきた。
「なんか平井君見てると、ユキちゃんのこと大好きだっていうのが伝わってくるよね。」
確かに私もそれは感じている。だからこそ好かれているという自信にもなっている。
私も平井君のこと好きなのにうまく行動に表せない。挙げ句の果てに正反対な行動をしてしまっている。
今日の帰りは素直になろう。ちゃんと態度で「好き」を表そう。