夏休みが始まり、塾通いが続き思っていたより過酷な毎日だ。
「ユキちゃん。平井君から今日も電話あったわよ〜。あとで電話しときなさいね。」
夏休みも1週間が過ぎ、毎日塾からクタクタで帰ってきて時間があればマサノブ君に電話をするが、ほとんど眠気に負けて曖昧な返事しかできなかった。
「もしもし、月原ですけど…マサノブ君?」
「ユキちゃん?あ、ちょっと待ってて……。自分の部屋行くから。」
私はその間も意識が朦朧としている。ベッドに横たわってしまうと終わりだ。
「ユキちゃん?」
「………あ。ごめん。何?」
「…………明日も塾?」
「ううん。明日は休み。」
「…そっか。明日、少しでいいから会えない?夕方ごろ家の近くの公園に行くから。いい?」
「わかった。待ってる。」
「おやすみ」と言ってマサノブ君は電話を切った。
「大事な話があるから」と言われたような気がした。
明日…夕方…公園。
久しぶりにマサノブ君に会う。私服で会ったことないから何を着ていこうか…。
そんな呑気なことを考えながら私は眠りについた。