shape 9

のん♯  2009-02-02投稿
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――空
『あなたは、お父さんのあとを継ぐんだから、完璧でなければならないのよ。生徒会なんてくだらないわ。そんな時間があったら勉強しなさい。』
『俺の人生は、俺のものだ。母さんのものじゃない。それに、俺は父さんのあとを継ぐ気はない。あとは、亜紀に継がせればいいじゃないか。』
『駄目よ。あの子は女の子よ。それに、汚らわしい女の子供。継がせるもんですか。』
『とにかく、俺は継がない。』
『ちょ、ちょっと待ちなさい。』

母さんに呼び止められたが、聞こえないフリをして家をでた。
家柄が、名門で昔から後継ぎ問題に巻き込まれてきた。2歳年下の稲葉亜紀は、父さんと愛人の子供。父さんは、“亜紀を後継者”にと考えているようだが、母さんはそれが許せないらしく俺を後継者にさせるつもりだ。
俺と亜紀は、仲がいいのだが、母親同士が犬猿の仲で一緒に遊んでいるといつも怒られた。

亜紀が来年、俺と同じこの早菠羅中学校(さはらちゅうがっこう)に入学することになっている。母さんは、反対しているけど。
俺の望みは、後継ぎ問題を気にせずに家族仲良く暮らすことだ。
望みは、これだけだったはずなのに。
いつの間にか増えていた。
『諸君、いま大問題が発生したよ。僕の素晴らしきシンデレラ物語は、最低でも100人の人間が必要だ。衣装は、勿論全てオーダーメイド。確実に予算オーバーしてしまう。選択肢は、3つ?台本を予算オーバーしないように書き直す?校長の首が飛ぼうともこのままシンデレラをする?劇をしない僕は、?がオススメさ。ハハハハハハ!!!』
非常識な先生のせいで、練習が進まない。岡田先輩に迷惑をかけてばかりで、気が重いのに更に、気が重くなるような話ばっかり...。

はぁ、俺の望みはいつになったら叶うんだろう。

次回→shape 10

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