――ゆき
あの胸の鼓動は、何だったんだろう??
初めて感じた。たぶん風邪かな?それで、顔が熱かったりしたんだ!!
先生が作ったあの台本は、無理が多いとかで、書き直しになったそうだ。
これでまともな、セリフになるかもと密かに願っています。
『ゆっきー、これで台本どうかな?たぶん予算ギリギリでシンデレラできるよ。』
『うん。見てみるね。』
ペラペラ
恥ずかしいセリフは、変わっていなかった。
『いいと思うよ。シンデレラのセリフって...。』
『とっても素敵だよね。わたし感動しちゃった。ゆっきーいいなぁ。こんな素敵なシンデレラを演じるなんて』
『そ、そっか。』
かよとわたしの美的センスは、だいぶ違うようだ。
『かよは、太郎を好きになった時どんな感じだった??ビビッとくる??』
『そりゃ、顔が熱くなって、胸の鼓動が早くなってぇ、もう他に何も見えないって感じかな。どうしたの??突然。もしかして、恋しちゃった??誰?誰?もしかして亮くん??』
『違うよぉ〜。シンデレラが王子様を好きになった時どんなふうになるのかなと思って...。ところでなんで亮??』
『なんとなくだよ。シンデレラの気持ちかぁ。ゆっきーは、真面目だねぇ。』
かよは、恋の先輩。普段は、心配ばかりかける妹って感じだけど。
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