「なにそれ…」
「ひどい事言ってるってのはわかってる。でもわかってほしいんだ、俺の気持ち。愛が好きだよ?」
優はそう言って、キスしようとした。
「やめて、待って。意味わかんない。じゃあどーすればイイの?二股を認めろってコト?」
「…二股っていうか。とりあえず今すぐマユと別れることはできないカラ、このままマユと付き合う。でも、俺マユに嫌われるよーに付き合って、早く振られるように仕向けるカラ、別れるまで待っててほしいんだ。」
―――この男は何を言っているんだ。
頭がクラクラした。
絶対にありえない。
都合よく扱われてるだけ。
そんなコトはよくわかってる。
でも…
「愛、お願い。勝手なコト言ってるのはわかってる。でも愛と一緒にいたい。少しの間、彼女ではなくなっちゃうけど今まで通り会いたいし、連絡もとりたい。」
「本当に好きなのは愛だけだよ、信じて?」
今の愛にとってこの言葉は絶大だった。
「愛?」
葛藤しながら沈黙を守り俯く愛の顔を、いつもと変わらない優しい優の顔が覗き込む。
「愛、辛い思いさせちゃうけど…お願い。愛と離れたくない、好きなんだ。」
優は、そう言って優しくけれども強く抱き締めた。
「うん…」