ロイ達がユミナとそのようなやり取りをしていた頃、マジックパレスでは彼等が突然いなくなった事で大騒ぎになっていた。
「五人全員が全ていなくなっていただと?どういう事だ!?」
「わかりません!門番や他の騎士達に五人の出入りを確認しましたが、訓練をして風呂から出ていった姿しか見ていないと…」
「何という事だ…」
リグラは唇を噛み締めて薄くなった髪を乱暴に掻き乱した。
「…そうじゃ。ライス、魔法監視員にこの城からターンで出ていった者が居るかどうか確認をしてくれぬか?」
「ターン…ですか?彼女達の中で五人を一度にターン出来る魔力の持ち主はいなかったと思いますが…」
ライスは怪訝な表情で、リグラを見た。
「確かに。じゃが、これだけ捜していないとなれば、後はターンをして何処かへ行ったとしか考えられん」「…なるほど。わかりました。確認に行ってきます!」
ライスは敬礼をして、急いで部屋から出て行った。
リグラはその後ろ姿を見送りながら、一つ大きく息を吐いて、腕を組んだ。
ライスの言う通り、あの中で五人全員にターンを使える者はいないじゃろうな…。ならば、考えられる可能性はただ一つ…誰かが彼等を…―