shape 11

のん♯  2009-02-03投稿
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――ゆき
『諸君、新しい台本が出来たところで早速やってみようじゃないか。それでは魔法使いのシーンをやろう。おぉ、その前に重大発表がある。なんと衣装代と大道具代がタダになった。僕の人脈のおかげさ。感謝したまえ。ハハハハハハ。』
森先生の自信は、どこからくるのだろう。たぶん人類が永久に理解できないことだな。
『魔法使いのシーンが2つあるんですが、どっちしますか??』
『よくぞ聞いてくれた。小倉くん。君が、シンデレラに南瓜の馬車を作るシーンをやろう。』
えぇ?!いきなりわたしの出番。そういえば、シンデレラの出ないシーンは2つか3つしかないんだった。
『さぁ、シンデレラ。おまえの望みは何なんだい??わたしが叶えてあげよう。』
『お城で行われている、舞踏会に行きたいです。』
『では、まず馬車を準備しなくては...。おっ、いいところに犬の太郎がいるじゃないか。アブラカタブラー、馬車になぁ〜れぇ〜。』
小倉くんノリノリだね。わたしはそんな気分になれないよ。
『わんわん。...ヒッ、ヒヒーン。』
『さぁ、次はドレスだね。アブラカタブラー、可愛いドレスよでてこぉ〜い。』
『わぁ、素敵なドレス。ありがとうごさいます。』
『さぁ早く舞踏会に行きなさい。どんな魔法も12時の鐘が鳴り終わったらとけてしまうから。』
『はい。いってきます。』
『素晴らしい。2人ともいい演技だ。太郎くん君は、気高き白馬なのだから、もっと堂々としたまえ。』

ふぅー。ひとまず安心。稲葉くんと練習したときから、なんとなくシンデレラになりきれるような気がするんだよね。
不思議だな。
稲葉くんって、年下だけど頼りになるお兄さんみたいな感じで、一緒にいると安心する。

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