あの子と出会ったのは、自分がまだパチンコ屋でバイトしていた時だった。
自分が働き始めてから何ヶ月かたった頃、あの子はアルバイトとして入ってきた。
第一印象としては、スタイルが良く、可愛い、誰が見ても彼氏は、いるだろうという感じだった。
ほかの店員達は、必死に仲良くなろうとしていたが、自分は性格的に話しかけられれば、話すという感じなので、しばらくは周りの噂みたいな事しか、あの子の事は知らなかった。
自分から話しかけることは、無くてもあの子から話しかけて来たりしてくれたおかげで、自然と仲良くなっていった。
そして…
『相談ならいつでも乗るよ?』 という言葉がきっかけで、連絡先を交換した。
自分で言うのもなんだが、案外、人に頼られやすい性格らしく、ちょくちょく相談された。
九割が、彼氏の事だったが、ちゃんと親身になって考えて、一緒に悩んだりした。
それだけで、自分は毎日が楽しかった…
好きって気持ちに気づくまでは…
ある日、あの子は泣きながら言った。
『もうあいつと別れたい!』
正直チャンスと心の中では、思ったが、
『別れちゃえばいいじゃん。』
とは、言わなかった…
いや、言えなかったと言った方が正しいだろう…
自分は今の関係に満足してるわけじゃない…
でも、あの子が彼氏と別れてしまえば、自分の存在も必要なくなる。
もしかしたら、俺とあの子の関係も終わってしまうかも…
そう思うと、別れろとは言えなかった。