?
あの戦いからどれ位の月日がたっただろうか。
あの国を後にし、今は放浪の旅を続けている…
あの戦いで、完璧なほどに圧勝した。
それはそれでよかったのだが、
自分は軍師と言う立場柄、そうは思えなかった。
あの時ああしていれば、敵がこうした時はああすればよかったとか…
後悔の念が、後から後からどんどん出てくる。
戦争が終わったある日にキールは国を出た。
理由は、戦いに勝ったあとの事後処理があまりにも多すぎた。
その中で少し気になるものがあった。
「魔王」。最近出没し、人間を滅ぼそうとしている存在。
それ以上の事は誰も知らなかった。
しかし最近、ここら辺で話題になっているのは
「ナイトメア」という、魔王らしい。
人の夢に入り込み、その夢を食うのだという。
食われた人間は静かに死んでしまうらしい・・・
自分は、こいつと戦うために国を出たわけではない。
ペイルを探すために、国を出た。
ペイルは戦争後すぐに姿を消した。
羽飛も何故消えたのだろうと不思議がっていた。
自分もその一人だ。
何故あれほどの男が、逃げなければ無かったのか。
何故、あの男は自分達の前から姿を消したか。
ハッと気づくと、また自問自答していた。
だから、国を出たのかもしれない。
キール物思いにふけながら、赤く染まる荒野を歩いていった。