伊井 香 は泣いていた…あの時の事を思い出していた…会社に入社してから誰も話し掛けて来る人は居なかった…
そんな時、資料の整理を失敗して部長に物凄く怒られていた時に安野 丈 が強引に庇ってくれたのだ!
安野 丈 は全く関係ないのに…自分が指示したので自分のせいだと部長に言い張った!
さすがの部長も何も言えなくなって引き下がった…
その後も優しく声を掛けてくれた!それから憧れの存在になっていた…
会社に行くのも安野 丈 に会いに行くようなものだった…
でも安野 丈 は人気が有ったから女子社員の話しの中心になっていた…伊井 香 は引っ込み思案で内気だったから自分から声を掛ける事も出来なかったし…その話しに加わる事も出来なかった…見てるだけで満足していた!
その安野 丈 が死んだ…
そんな事を考えたくない…でも本当に安野 丈 だったのだろうか?
あの遺体は酷く焼けタダレていた…何となく似ていただけで安野 丈 だと思い込んでしまったのでは?!…
つづく