「それはちと飛躍しすぎではないか?」
リグラはそう言って、首を傾げた。
「…そうですね。ただ、彼等に関する情報で妙な事といったらこれしか無かったので、その可能性を考えたのですが…」
ルークは小さくため息をついて、紅茶を一気に飲み干した。
その時、宰相府の扉がノックされ、女王アリネスが護衛騎士と共に部屋の中に入ってきた。
「リグラ、ロイ君達がこの城の中からいなくなったというのは本当なの?」
アリネスは不安そうな表情で、リグラに尋ねた。
「はい。現在全力で捜索を行っていますが、今の所見つかってはいません」
「そうなの…一体何処へ行ったのかしら…」
「…アリネス様」
ルークはデスクから離れると、アリネスの前に跪いて、
「お尋ねしたい事があるのですが、宜しいですか?」と、言った。
「ええ。いいですよ」
アリネスが頷くのを見て、ルークは少し言いにくそうにしていたが、やがて、意を決したように、
「ロイ君…ですか。彼から何か妙な事を聞きませんでしたか?例えば保護された夜に誰かに会った…等という事は…」
と、尋ねた。
アリネスは驚いたような顔でルークを見て、
「ええ…聞きました。確か、エリクシオンに会って話しをした…と」