SLOW LOVE(30)

フラン子  2009-02-05投稿
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「俺のこと探してる?」

マサノブ君が目の前にいる。私は恥ずかしくて、なんで居るのかわからなくて頭が混乱している。
頭の中に心臓があるみたいにドクドク聞こえる。

「…タ…タケ君が…」

なるべく自然に話そうとするけど、うまく話せない。

「タケが探してんの?」

顔なんて一瞬しか見れなかった。コクリと頷いた後はベランダの手摺りを握り体育館を見下ろした。

「…ふーん。あ、ホントだ。タケのやつキョロキョロしてる。」

マサノブ君が私の隣に来て手摺りに肘を付いてる。


なんで!?なんでここに居るの?もう何ヵ月も話してないのにどうしてそんなに自然に話せるの?何しに来たの?

私の頭はパンクしそうだ。胸が苦しくて逃げ出したい。ベランダの柵から離れ一歩後ろに下がろうとした。

「あのさ…。」

マサノブ君が体育館の方を見ながら話し始めた。

「付き合ってたときなんだけど…、ユキちゃんさー。ユキちゃん、ちゃんと俺のこと好きだった?」

そう言い終わるとマサノブ君がゆっくり私の方に向き直った。

頭の中はとっくに真っ白だ。

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