天の機嫌が良い昼間に、とある旅人が茶屋で一服していたときである。
「うらめしやあ。」と、どこからともなく一人の男が旅人の側にやってきた。男には、足がない。それであって妙に色白く、死に装束を着ている。
「俺はお化けだぞぉ。うらめしやあ。」
茶を飲んでいた旅人は、首を傾げて言った。
「珍しいこともあるもんよ。お化けっちゅう者は、夜にでるから怖いもんだ。お前さん、なんで真っ昼間から出てるんだい。」
「夜は怖いんですぅ。」
終