高井戸日記―?

 2009-02-06投稿
閲覧数[312] 良い投票[0] 悪い投票[0]

高い高い清掃工場の煙突からモックモックと煙が出ている。
煙は南に向かって進み行く。
「あら、里香ちゃんおはよう。どうしたの?」
綺麗な長髪の女性が出てきた。
「おはようございます、管理人さん。…えと、食料が無かったので買いに行こうと思ってたんですが…場所を教えてもらえますか?」
管理人さんこと田辺雫(たなべしずく)。このアパートの管理人で齢26歳。
「フフ…里香ちゃん、ちょっと寄ってきなさいな。何か作るわ。」
「えっ、いいんですか?」
「どうぞいらっしゃい。」
雫はニコッとして里香を誘った。

 第二話 優しい笑顔(その1)

「ご馳走さまでした〜 管理人さんお料理上手です。私もこれから自炊しないとです。でもなにも作れないです。」
里香は困った顔をした。
「大丈夫よ里香ちゃん、オムレツくらいすぐ作れるようになるわ。それに、いつでも教えるわよ。」
雫はニコッとして里香を励ます。
「あ、ありがとうございます!」
(はわ〜 管理人さんは笑顔がとっても似合います。)
 ……………
「里香ちゃん、そろそろ行く?」
「すみません、お忙しいのに。」
「フフ…そんなことないわ。里香ちゃんに教えたい所、沢山あるの。」
雫はニコッとして楽しそうだった。

家の前のグラウンドでは少年野球が盛んだ。
「みんな元気いっぱいですね。」
「そうね。この辺の子たちはみんな元気なの。」
少し歩くと里香は突然走り出した。
「あ!川ですか!?」
少し遅れて雫が来た。
「うん。ここは神田川。もう少しすると桜がキレイに見れるわ。ここが満開になるとすごいのよ。」
桜の蕾がふっくらしていた。涼しいような、少し暖かいような風が南に向かってスーーっと吹いた。
「もう直ぐ春ですね〜。満開の桜、見たいです!」
里香は期待に胸を寄せた。
「フフ、そうね。春はすぐそこまで来てるわ。」
雫はニコッとして優しい笑顔をしていた。しかし、雫の視線は川の橋の上にあった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 R 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ