shape 14

のん♯  2009-02-06投稿
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――ゆき
明日は、卒会本番。
こんな大事なときに、風邪をひいてしまいました。

『諸君!!いよいよ君達の初の晴れ舞台が明日だ。今日は、早く寝て明日に備えたまえ。それでは、さよなら』
『『『さよなら』』』
『かよ、帰ろう!!』
『うん。たーくんと一緒に帰るの久しぶり♪だから、かよ嬉しい〜の』
『俺も嬉しいよぉ』
『お疲れ様でした。』
『あれ??斉藤ゆっきーは、1人で帰るの??』
『はい』
『優くん、送ったら??たしか家近いでしょ。女の子1人で夜道危ないし。』
『別にいいけど...。』
『え?!でも、先輩に迷惑ですし、いいですよ。』
『明日は、大事な日なんだから!!これは先輩めーれいです♪』
『はい。小倉先輩、お願いします』
『おぉ』

『ゆきは、帰らないのか??』
『ちょっと仕事があるから...。亮、先に帰っていいよ。今日は、歯医者に行くんでしょ??遅れちゃうよ』
『あっ!!そうだった。また、先生に怒れる。じゃあ先に帰るぞ。気ーつけて帰れよ!!』

稲葉とわたし、ふたりきりになってしまった。
わたしの仕事というのは、シンデレラの衣装合わせである。今まで、練習のときは制服でやってきた。みんなは、1回は衣装を着て練習したみたいだけどわたしはまだだったので、今日着ようと思っていたのだ。
『稲葉くんは、帰らないの??』
着替えるので、1人がいいのだけれど...
『ちょっとだけ練習、付き合って下さいませんか??ラストシーンがまだ不安で...。』
『いいよ。じゃあ、本番みたいにやってみよ!!ちょっと待ってて。』
『ありがとうごさいます』
これは、チャンス!!
1人で衣装着て練習するのは、空しいからね。
『どう?サイズぴったり!!』
『じゃあ、早速結婚シーンお願いします。』
『うん。』
ふらっ
『大丈夫ですか、先輩??』
『うん。ちょっと熱っぽくて...。練習続けよう』
『おぉ、シンデレラ。永遠に僕のそばにいてくれるかい??君の幸せは、僕の幸せ。愛、あ、愛しています』
ドッキンドッキン
何緊張してんだわたし。これは、セリフ。芝居だぞ。
『はい。王子様。わたしは永遠にあなたの側を離れません。』
...とこの後、キスのふりだけだったはず。
段々意識が遠くなっていく。

次回→shape 15

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