その少女は学校の屋上にいた。
冷たい風がふく、その場所で夜空を見上げていた。
少女は何かを決心したように、大きく息をはいた。
その白い息で霞んだ夜景は、とても美しいかった。
少女はフェンスに傷だらけ手をかけ、登り始めた。
しかし、足を踏み外しズルズルと落ちていく。
少女の瞳から涙がこぼれおちた。
少女はいわゆる、いじめられっ子なのだ。
皆、彼女のやることを否定してきた。
だから、彼女は否定されたようで怖かった。だから、涙を流した。フェンスから落ちたとき、自殺しようとする自分すら、否定されたような気がしたから…
続く