友達ですら無いとしても。

疫病神  2009-02-07投稿
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君は、初めて、泣きました。



『今だけ、ごめん。』



そう言って、

愚痴を溢すわけでも無く、


大声を上げて泣くわけでも無く、

私を抱き締めるわけでも無く、


ただ、
ただただ、あたしに寄りかかるように胸に頭を当て、


小さくないていました。





抱きしめたかった。


思いっきり抱きしめて、

『あたしがいるよ。』

って、告白してしまいたかった。


あたしなら君を泣かせたりはしないのに。

あたしなら君を大切にするのに。

君を想う気持ちなら誰にだって負けないのに。




そう思っているのに、
伝えたいのに、

あたしは
傷ついている君を、

抱きしめてあげることも、

声をかけることさえできませんでした。


そんな自分が

情けなくて、

悔しくて、

醜くて、

ダサくて、

小さくて、



君にバレないように、
声を殺して泣きました。









それから間もなくして色々あって、君とあたしの友情は呆気なく壊れました。
今ではもう、お互いを呼ぶことも、見ることさえありません。


ねぇ…?
出逢ったあの日から、あたしはずっと君だけが好きです。





友達ですら無いとしても。

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