その沈黙を破ったのは動揺した勇樹だった。
『友達だよ。友達の彼女が借りてきて見終わったから返しておくのを条件で借りたんだよっ。』
『うそっ。じゃあ、いつその人から借りたの?いつ見たの?勇樹、最近忙しいって言ってたよね?』
『昨日、学校で友達に持ってきてもらったんだよっ。それで昨日モデルの仕事が終わってから寝る前に見たんだよっ』
『そんなの信じられない。あたしが見たいって言っててもいつもダリーよって言ってたじゃない?もういいっ!離して』
勇樹の腕をふりほどき、あたしは走ってその場から逃げた。途中、勇樹の叫ぶ声も聞こえたが無視して走っていった。