『それは忘れられた島。ゆっくりゆっくり消えていく。それは忘れられた島。そこには誰がいるでしょう』
リズはもう長いこと果てに繋がるという道を歩いて来た。人が歩いて出来た道故に舗装などされてはいない。リズは16の誕生日からこの日まで、たった一人だった。だから、でこぼこで歩きづらい、夜は真っ暗闇なこの道を歩き続けるのはもう限界に近かった。
その夜、リズはゆっくり目を開けた。そして有り得ないと首を振る。旅立ったはずの遠い村の、懐かしい曲がそこには流れていた。身を起こして、彼女は闇を睨み付けた。