呑気に拍手するエドにダルは呆れながら現状を説明すると
「なんてこった!じゃあさっさと下に行こう」
エドは焦って言うと2人は階段を降りて行った
「電話の奴が降りて何分経った?」
エドが走りながら聞くと
「8分」
即答するダルには焦りが見えた。ダルが言った10分は所詮は見立て。ニッケルがそれより早く着かない保証は何処にもない……
2人が駐車場に着くとエンジン音が聞こえた。エドとダルはエンジン音とは逆方向の自分達が停めた路上へ向かった。さっきは時間がなかったのでまともに駐車する時間が無かったのだ
車に近付くとエドはキーレスで車の鍵を開ける。2人がさっと乗り込むとエドの表情が変わった
(あ〜マジ(本気)で運転するんですね)
ダルが諦めた瞬間車は爆走した。スタジアムを後にすると前に一台凄いスピードで次々と車を抜いている車を発見した。後部座席にニッケルを目視する事が出来た
「あれかぁ」
エドの声が低くなっていた。もはや獣だ。この獣に勝てる奴はこの世にいるのだろうか?と、ダルはエドを横目に思ったが、ニッケルの車も凄かった
何故ならエドが発砲して混乱した観客が運転して混雑しているメインストリートをスイスイと走っているからだ。まぁ最もこの方(エド)もスイスイとまるで車が無いみたいに走っているけど
しかし、暫く走っているとエドが
「クソッ!」
舌打ちをしてハンドルを叩いた
ダルは、『いつものノーテンキなエド君はいずこへ?』と、思いつつも
「どっどうしたんだ?」
Gに耐えながらダルが聞くと
「こいつ(車)をさっさと発進させちまったからエンジンがまだのっっていない。本調子が出ない!暫くはこの距離のままだ」
エドにもかなりのGがかかっているはずだがエドはペラペラと喋っている。さらに互いにアバラが折れているのだ。相当痛いはずだ。もちろんダルは、この痛みをしっかりと味わっている
「どっどんくらいで本調子が出そうだ?」
ダルが恐る恐る聞くと
「15分」
即答するエドに
「なっ何とかなるだろう」
ダルは安易にそう言うがM.Tに仕掛けられた爆弾が爆発するまで残り35分……しかもニッケル達が逃げてる方向はM.Tの監禁場所の真逆………これでは間に合わない!!