○●純+粋な恋●28

沖田 穂波  2009-02-09投稿
閲覧数[487] 良い投票[0] 悪い投票[0]


5-? 初秋の桜

純の容態が急変したのは筆の一件の3日後の事だった。

ー ついに,
 この時が来たか‥

純は1人,病と戦っている。

『粋乃さん‥』

純は病にうなされながら粋乃の名を呼んだ。

ー やはり,
純にとって粋乃さんは大きな存在だったのか‥。

純と粋乃がもう会わない事になっているのは知っている。
しかし,京太郎は粋乃を呼びに既に家を飛び出していた。

『粋乃さん純が危険だ!
来てくれないか!?』

京太郎は粋乃の家前で叫んだ。
粋乃はすぐそれに気付き顔を出した。

『純さんが‥!?』

『病にうなされながらあなたの名を呼んでいる。急いで来てくれ!!』

京太郎は粋乃の手を強引に引っ張った。しかし粋乃はそれを拒んだ。

『でも‥私達はもう会わないと‥。』

『粋乃さん,考えてみて下さい!!
それが,あいつの本心だと思いますか?』

粋乃は立ち止まり考え,やがて覚悟を決めたように顔を上げた。

『私,行きます。』

純を永遠に失う現実を受け入れながら,
粋乃は走った。涙が既に溢れ出している。


純の元へは
すぐに着いた。

粋乃は涙を拭き,
恐る恐る部屋へ入る。
純の病に蝕まれた小さな体が横たわっているのが見えた。

『純さん?』

粋乃は純の側に座り名を呼んだ。


○●続く●○



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 沖田 穂波 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ