ここは、夜明けの大陸…
通称・暁の大陸…
この世は、人間と妖(アヤカシ)が平和に暮らしていた…ある日、忽然と現れた島アウラーデ…アウラーデには不思議な力…人でも妖でもない者たちが住んでいた…
アウラーデに住む者たちは自分達のことを、"魔族"だと言い、大陸の者たちに恐れられていた。
大陸の者たちは、その、恐れから献上品をアウラーデに贈るようになった… ある時期になると、献上品として家畜や食べ物、要求があればそれを贈り、時には人や妖をアウラーデに贈っていた……
そんな時に、魔族の次期後継者が生まれた。
一年後…
人と妖の子供が生まれた。だが、その子が生まれて一年たった頃…その子の親は殺された……
親を失い親戚中をたらい回しにされた…
そして、母方の親戚に引き取られた…
それから、14年…
少女・伊織(いおり)は、15才になり、小さな村で母の双子の妹、 トキと夫のカズアキ、その子供で双子の兄・ギンと妹・架月(かつき)と一緒に幸せに暮らしていた。
――ある日のことだった……その報せは、あまりにも突然で村人も家族でさえも予期せぬ報せだった…
その報せは、"伊織に献上品としてアウラーデにいってほしい"とゆうものだった…
だが、急な報せなのに伝令兵は、立ち去る前に言い残した言葉は、とんでもない一言だった…
伝令兵『今夜、魔族の王が、迎えに来るそうです。』と…
早朝の報せ…伝令兵は村人にも家族にも深い悲しみを残していった……