リグラは疲れたような顔でぽりぽりと頭を掻きながら、近くの椅子に深く腰を下ろした。
「さて…お喋りはここまでにしましょうか。援軍が来ると厄介ですからね」
ユミナは髪を掻き上げながら余裕の表情で、ロイ達に手招きするような動作を見せた。
「お前の相手は私がする。エミリア達には指一本触れさせんぞ」
ロザラムはそう言って剣を構えながら、闇のエネルギーを解放した。
「…やるじゃない。まだ力を隠していたみたいね。…だ、け、ど…」
ユミナは邪悪な笑みを浮かべて、ロザラムを嘲笑った。
「足りないわね。まだ、全然足りないわ」
「…ぬかせっ!」
ロザラムはユミナを睨みつけると、剣に闇の波動を取り込んで、一気にそのエネルギー波を彼女に向けて撃ち込んだ。
「ふっ!」
ユミナは一瞬のうちに光の障壁を前方に展開させると、それにぶつかった闇のエネルギー波を短時間で消滅させてしまった。
「ちいっ!」
ロザラムは唇を噛んで、ユミナの懐に飛び込んだ。
「はっ!」
ユミナはロザラムの突撃を華麗な足捌きでかわすと、彼の首めがけて剣を振り下ろした。
「なんの!」
ロザラムはその攻撃を間一髪で受け止めると、力任せに彼女の剣を弾き返した。