夜、犬の散歩をしにいつもの橋を渡ると釣りをしている人がいたり景色を見たりといろんな人がいる。
だけど次の夜は全く違って見えた。
それは橋が霧に包まれていてその向こうが見えないくらい濃かった。
それでも気にせず歩くと霧がモワっと熱気のような感触があり不思議に思いながらも歩き続けると今まで無かったはずの森林があった。
でもその前には何故か昨日と同じ光景があった。
釣りをしてる人、景色を見てる人、何もかもが同じだった。
そしてどこと無くぼやけてるように見えた。
なんだか体に嫌な寒気を感じて帰ろうとすると霧が元々無かったかのように消え去っていた。
それならと急いで家に向かおうとするが外灯は消えて周りの家の電気も全て消えていた。
何も見えないから手探りで歩いて帰ることが精一杯だった。
数十分後にやっと家に辿り着いた。
どうしてか家だけ明かりが点いていた。
安心して家の中へ駆け込むと点いていた明かりが消えて何も見えなくなった。
それからは一歩も動くことが出来なくなり気付いたら一生を過ごしていた。
今思えばあの霧は異次元への入口だったのかもしれない
終わり